おら関ヶ原さ行くだ◆へうげもの第14服感想
へうげもの 14服

◆へうげもの第14服を読了。
戦国時代最後にして最大のイベント関ヶ原直前の様が描かれてるだけに
登場人物がとても多く場面の切り替えも早く、「誰がどっちの味方なんだっけ!?」と
頭が混乱してくる部分もありました。きっと戦の当事者達も同じ思いだったに違いない。

◆まず管理人的に最重要事項なのは三成×うた(正室)の夜伽シーン
描いて貰えたという事よ!!ヒャッハァアァァ山田先生ありがとおぉおッ!!
愛情と艶気たっぷりの素晴らしい1ページでした。感じてる三成の表情にhshs。
へうげで濡れ場シーンは珍しくないのだが、その中において今巻のは実に「甲」でした。

うたさん伏し目の清廉な美女。さすが生真面目な三成の嫁だ。
「今宵はいつもと違うてご気性荒く…」という事はいつもは淡白なのね。イメージ通りか。

ハタ目には冷血漢に見える三成にも、兄上やうたさんのような
キツい時に愚痴れる相手がいるのは救われる部分です。
弟とは違って兄上の方は織部をも唸らせる数寄者というのがまた。

しかし、どうして三成があそこまで数寄絡みで上手くいかないのか不思議だな。
秀吉や兄上の事は尊敬してるし、自分自身もまた懸命に数寄を学ぼうとしてるって点では
織部の弟子達と情熱は変わらないように見える。
茶入なんぞ何でも良い、と突き放してる家康に比べて数寄に歩み寄ろうとしてるし
身体を張って大谷殿を笑わせたのを思うと、三成にもひょうげた資質はある筈なのに。
この辺が次巻以降でどう描かれるのか非常に楽しみです。

◆夫婦といえば細川夫妻…(◞‸◟)
ガラシャ砲にはちょwwwと爆笑したが、ガラシャの信仰心と旦那への愛は本物でしたね。
女子の身で石田兵15人も倒したとか凄いな。殺生だがデウスも彼女を責められまい。

嫁の死にブチ切れてる忠興に何とも切なさがそそられます。
可愛い顔つきなだけに切れると本当に怖いんだよな忠興は。
八つ当たりに付き合って殴り合ってくれた福島がイイ奴だ…細川たわけぇ。

◆切ない今巻の夫婦ネタの中で、小堀夫妻は癒しでしたな。
おかねは突っ込みどころが多くて面白い嫁さんですww巨乳ゆえに出来る荒業だなww
そして作介は友達までカマ野郎なのかww

この作品が素晴らしい理由って、夫婦描写の良さもあると思うんだよな。
織部夫婦に石田夫婦に細川夫婦に小堀夫婦に高山夫婦に…
死んでもあの世でイチャついてなされ。

◆山田先生は家康贔屓、との事ですが
作中においては家康側も三成側も心情が事細かに描かれてるので、
どちらにも無理なく感情移入できます。

家康も正義の世を創りたい事は確かだけど、その為には綺麗事ばかりじゃいけない事を
身に染みてるんだよな。
「泰平の世を作るには武人は厄介者、だから彼らはなるべく多く討死して欲しい」
味方兵すらもこういう扱い。酷いとも言えるし正しいとも言えるよなコレ。
へうげ家康を見てると「正義」の裏には常に影が付きまとうんだという事が分かります。

そして、どんなに質実剛健な男でもやっぱり若い女子と交わりたい、
性欲ばかりは正義だの悪だの関係ないっていう男の哀しさをも家康は感じさせてくれます。
おね様に対する初恋のような純朴さと、今巻の廻しが爆発寸前って描写を対比させると
男は上半身と下半身で別の生き物という言葉の意味もいたくよく分かります。

第80席の「正・政・性」は本当に家康を表現した巧すぎるサブタイですね。

それと、家康にとっての数寄って船・建物・町・社会といった
物理的に大きいものに興味が行くのであって
茶杓とか器とか細々とした織部好みとはズレるのかな、と思う。
そのズレがやがて大きな亀裂となって織部を襲うのか…と想像するとゾっとする。

◆カバーは「緑釉」と「緑茶」の誕生にちなんで濃緑色…織部の色ですね。
利休が召される巻もカバー色を漆黒にしてくれたし、本当にこういう部分が粋な漫画です。

へうげコミックスの表紙って過度にキャラクターを主張せず
「色」と「空間」を意識させるものに仕上がってて、眺めててとても気分が良いです。
コレは狙ってやっているとの事。何とも“乙”なお仕事です。

へうげは完結するまでコミックス買い続けますぞー!!
無駄な描写の一切なくして人を感動させる傑作です。いがっぺぇ…いがっぺぇよコレ。

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真の聖☆おかあさん
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◆へうげ10巻・11巻、一気に読了也。

おね様が若かりし頃の秀吉の浮気癖を信長様へ直々に訴えたという有名なエピソード。
信長様の貴重な困り顔がたまらないwww下がり眉下がり眉ww
この後の信長様はおね様相手にめちゃくちゃ気を使った丁寧な書状を送って
何とか機嫌を直して貰ったという史実。難儀でしたねぇw

秀吉も浮気しまくりとはいえ心底ではおね様相手の時が1番ホっとしてる感じだし
家康は完全にフォーリンラブ。
三英傑の誰1人としておね様に勝てない感が何とも癒されます。ニヤニヤ。

清正も「虎」を教えてくれたおね様を心の拠り所にしてるし、
破局しかけた織部とおせんの夫婦仲もおね様のおかげで修復できたしで、
へうげにおけるマザー的人物ですな。作中最強キャラは彼女なんじゃないでしょうか。
おかんには誰もかなわない。

これだけ格好良く母親キャラしているというのに
彼女自身に生涯子どもは出来ないという皮肉さがまた切ない彩りを添えてる気がします。
家康公…「抱きしめたい」なら遠慮などする事はないですぞ。

◆13巻から読んだので、
管理人にとってのこの漫画のファースト台詞が「伏見・新うぎゃあ」だった。
初見時は一体どういう意味なのか気になって気になって真剣に考えていたのだが
織部という男がやたら変な擬音を連発するキャラだと知るうちに
「まさか…」と思うようになり、今巻でその「まさか…」が的中した。
そう全く意味など無かったww

歪み要塞・うぎゃあ。今度こそ堅牢に立ち続けて欲しいものです。
今も昔も地震などに日の国は負けぬ。

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血という名の業が 命を奪ったのです
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◆へうげもの9巻、利休と同じくらい娘のお吟ちゃんの事も印象に残った巻でした。
昨日の感想で言い切れなかった部分を少々。

秀吉暗殺を父娘で共謀していたのだが結局は利休が愛娘を巻き込む事を思い留まり、
暗殺の中止を示唆する短歌をお吟ちゃんに送るのですけれど、
お吟ちゃんはそれを余計に深読みしてしまい、
「やはり父上は私に暗殺を命じている」と真逆の解釈をしてしまうんですね。
そして秀吉暗殺に向かうところを茶々様に取り押さえられ、やむなく自害という結末に。

このお吟ちゃんの、何か自己脅迫的なまでに思いつめて事象を深読みしてしまう様は
やはり彼女に利休の血が色濃く流れていた事の表れだったんじゃないかと思います。

利休の妻であるおりきは、利休の頑なな厳しさを理解できず泣きながら去ってしまう
良くも悪くも「普通の女性」といった感じだった。
夫婦といえどやはり「他人」である事を滲ませるものが、おりきの反応にはあった。

それに対してお吟ちゃんの利休テイストな業深さときたら。
名物の為に自分が身を売る事を厭わなかった辺りも、さすが利休の娘と思った。
やはり「同じ血」が流れているか否かって理解度や感性に差が出てくるのかなという
うっすらとした疑問が、千家のドラマを読んでいて脳裏によぎりました。

◆あと、光秀の辞世の句についてなんですが。
あれって実際は後年に松尾芭蕉が詠んだ「俳句」だったんですね。

「月さびよ 明智が妻の 話せむ」

俳句なので最初から下の句など存在しないのですが、
この作品ではこの句を実際に光秀が詠んだものとして扱い、
「下の句を排する程のわび表現」とし、利休の心象に大きな影響を与えるという
非常にハイレベルな史実アレンジとして昇華しているのだ、という事に気づいて
改めてゾクっとしました。凄いセンスと技術だな…山田先生…

◆利休死後すぐの、第九十三席サブタイ「WAKING IN THE “RIKYU”」
元ネタはFishmansの「Walking in the Rhythm」という曲なのですが、
本当に利休のイメージぴったりです。シタールの音色が何ともわびているように感じて
これは利休も顔がほころぶのではないかと思う名曲です。
お時間があればぜひヘッドフォン+目を閉じてご一聴を。

Fishmans/「Walking in the Rhythm


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宗匠の最期を見届けました
へうげもの 9服

◆へうげ9巻読了也。
BLACK IN BLACK。黒を至高とする利休居士を偲んでの表紙なのでしょう。

師匠の切腹・それを介錯する主人公…という悲壮感ある内容であるにも関わらず
「千利休がやってくる えい!えい!!えいっ!!!」だとか
「わびスキーが、お好きでしょ。」だとか
緊張感の欠片もないパロタイをどこまでも貫く潔いセンスにまず脱帽ww

そしてまさか最後の最後で利休の暴が拝めるとは思いもせなんだwwww
セクシー利休爆誕!!とばかりに諸肌脱いだと思ったら
衛兵どもをワンパンで沈め、刺又をむんずと掴んで3,4人まとめてブン回すその姿は
あたかも破壊僧か何かのようでした。

へうげもの 9服

怪僧が!!怪僧が暴れてる!!

ホント何でここまで強いんだ利休。
元武人だったならともかく、若い頃から生粋の茶人だった筈ですよねこの人?ww

この暴れっぷりと、最後の最後で織部の緊張を解きほぐす笑い。
静謐さとコミカルさが混じり合う、何とも妙味あふれる最期のシーンでございました。
実はかなり前に、13巻だけ先行して既に読んでしまったのですが、
ここで利休が言った「それがあなたなのです」が、
あの「俺という男は”ひょうげもの”だったのだ!」に繋がるワケですね。
あの織部の笑顔はかつて利休に見せた笑顔と同じもの、というのがまた何とも。

見開き4ページに渡っての兵達の土下座シーンは言葉が出ませんでした。荘厳だなぁ。
しかし、これほど多くの人間に影響を与えて来た利休も
たった2年で世間では過去の人になってしまう「時」と「流行」の残酷さが心苦しいですが。

あの世で光秀や宗二や丿貫殿やお吟ちゃんや秀吉の母ちゃん達と
侘び茶を酌み交わし微笑んでらっしゃいますように。
今巻の裏表紙にいてくれて嬉しかったです、お吟ちゃん。

◆7巻・8巻でのアレな所業のせいで秀吉の印象が落ちてたが
この9巻でやっと感情移入し直せた。
信長様と違い、ピンチに香炉の千鳥が鳴いてくれなかった際の

「何故誰も余を愛さぬのだ…」

それは多分、あなたが誰にも愛情を示していないせいだろう。
信長様が言ったダール・イ・レゼベールの意味、せめて晩年には悟れるのだろうか。

◆織部のみならず家康公まで大金時覚醒ネタが増えて参りましたな。
織部だといつもの事かって感じだが、
家康公みたいな質実剛健なオジサマが魅せつけて来ると目を疑うなw
その熱い金時、いつか寂しいおね様を慰めるのに使って頂きとうございます。

◆公式サイト観ましたが、アニメも今巻の利休の自刃で終わるみたいですね。
という事は、もしかしてアニメでは

利休「それがあなたなのです。お忘れなきよう」
織部「そうか…俺という男はひょうげものだったのだ!!」


と即座に悟る結末になってしまうんでしょうか。神谷殿の立場が無いw

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下の句など蛇足
へうげもの 8服

へうげ第8服を購読し終えたところ。

非常にゾッとした。
光秀が今際の際、辞世の句にて下の句を詠まなかったあの場面が
こういう形で利休の心を抉る事に繋がってくるなんて…

お吟ちゃんの悲壮な決意も身に染みます。
「数寄の為なら娘も泣かす」っていう巻末名物紹介のひょうげた煽り文句が
ちょっと笑えないひょうげ方だと感じてしまったくらい、お吟ちゃんが良い娘だ。
宗二斬首の理不尽さといい、7~8巻は秀吉への好感度が下がる内容だなぁ…。
明日9巻を購入して読む予定。
とうとう利休の自刃が来るのでしょうか。ゾクゾクしております。

久々にコミックスを1巻から全て新品で揃えている漫画にて候。
山田先生いわく「これはギャグ漫画」だそうなんですが。
ギャグっていうのは人物達がこれほど命とプライドを賭して表現するものなんだなぁ…

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アニメ第二話「茶室のファンタジー」感想◆へうげもの
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◆おせんの目のハイライトがちょっと不気味だなぁ。
笑顔目の上にハイライト描くと光じゃなくて白目に見えちゃって怖いんだよなw
でも豊口ボイスは文句ナッシング。文字通り「はにゃあ」としていらっしゃる。

まぁ…口惜しいがおせんの乳房をハッキリ映すのは無理なんだろうなとは思ってた。
しかし原作の描写がとても綺麗だったシーンだけに勿体無いな。
織部の意匠アイディアの源泉となる「画竜点睛=乳首」の表現は
画としてやってこそ意味があるものだろうに。

でも、織部が焼き物に見立てた乳房を両手でさすって
おせんが一瞬だけ「あぁっ…」と喘ぐ演出、この点は原作以上に淫靡で良かったと思う。
規制されたおかげで逆に演出レベルが上がる事もあるから一概に規制を叩けないってのが
映像倫理のジレンマだな…

それと、白装束で織部がおせんを斬ろうとするシーン、
ちょっとBGMが過剰にやかましくて台詞が聞き取りづらかったな。
あと原作では織部が太刀を振り下ろした直後に清秀が「わかったぁ!」と止めてるんだけど
アニメでは何故か順番が逆になってるんだよね。
コレ違和感覚えたなー。逆にする意味あったのか?

◆利休はアニメでも静かな迫力を醸しだしてらっしゃり素敵です。
織部に言った「私ごときの作為を隅々まで見て取った証」が好きです。
仕事にプライドがある作り手であればあるほど、
丁寧に真剣に観てくれる受け取り手の存在って本当に嬉しいのだと思う。
私ごときの~と謙りつつ「びっくりしたでしょ?」と自信を込めている辺りもまた素敵。

◆それにしても第二十一席タイトルの元ネタである
ローリングストーンズの「哀しみのアンジー」
びっくりするくらい信長様の最期のシーンにBGMとして似合ってるんですね。
場面を思い浮かべながら聴いててズドキュッてなった。
御多分に漏れず管理人もあの回で、この作品心底すげぇと思ったクチです。
ギブ・アンド・テイク。それこそが愛か…。

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アニメ版「へうげもの」DVD1巻をレンタル中
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◆タイトルの通りでございやす。へうげDVD1巻「れんたる」にて失礼つかまつる。
コミックスの方はちゃんと購入してるのでお許し下され。
まだ既刊分全巻は読んでないけど、初期の話は把握してるのでバレを恐れる事なく視聴。

◆OPのチープなテクノポップが良い感じに気の抜ける曲ですw
曲の合間に聞こえる変な効果音何とかしてくれwwポコッとかハイー♥みたいなのww
これぐらい脱力感があった方がこの作品らしいかな。
(とは言っても断じてユルい作品では無いですが)

おせんがOP映像であたかも精霊みたいな扱いになってるのに吹いたww
おせんだよね?あのシルエットは。

◆アニメ化されると漫画とサブタイが変わったりする事があるのですが、
へうげは漫画で使用されたものをそのままアニメでも使ってるんですね。
洋楽パロへの規制は緩いらしいw

ひとまず第1話「君は物のために死ねるか!?」を視聴。
うーむ、全体的に原作の雰囲気は上手く表現できてると思いましたが
テンションの高いシーンとなると如何せん原作のぶっ飛び具合には及ばないなぁ。
松永の「聞けきさまぁ!!」とか、平蜘蛛のフタをキャッチした際の「はちえええ」とか
原作はもっと!!もっと突き抜けてるの!!と観てて焦燥感。

最も顕著だったのはやっぱりラストですねぇ。
「如何ともしがたい違いが~!!」とか勢い良く縁側に転がりながら
何事も無かったかのようにスクッと歩き出す織部がたまらなくシュールで
1話目から凄い漫画だなと爆笑したものですが、
アニメでは普通にギャグ調に転がってるだけで面白味が激減してたなぁ。
まさに如何ともしがたい違いを覚えた。

◆とまぁ、原作が強烈なので物足りない要素を先に挙げてしまいましたが
雰囲気それ自体は壊れる事なく、よく出来ています。
松永自爆直前の夕日と「涅槃で待つ」のシーンはウルッと来ましたし。
信長様の名台詞「本音なら撤回するな」も決まってました。

ただ、やっぱり首チョンパは無理なんですね…
となると信長様最期の胴体切断とかはどうなったんだ?
というか首チョンパ駄目なんてそれこそ来年やるキングダムどうするんだよ、って思った。
首チョンパなんて序の口な描写が溢れているというのにね。

◆エンディングテーマ「KIZUNA」、どこからどう聴いてもおせんソング。
ストレートすぎる歌詞な気もしますが、おせんらしく健気で可愛いらしいのでOK。
おせんとのラブラブっぷりは1巻から最新刊まで変わってないようで妬けますな。
主人公夫婦はいつまでもあんな感じでいて欲しいもんです。

1日で全部観ちゃうのは勿体無いので第2話は明日~。

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